ウィンダミア夫人の扇
  • 原題:LADY WINDERMERE'S FAN
  • 監督:エルンスト・ルビッチ
  • 脚本:
  • キャスト:メイ・マカヴォイ/バート・ライテル

  • 製作年:1925年
  • 製作国:アメリカ
  • 『ウィンダミア夫人の扇』、いいですなー、『ウィンダミア夫人の扇』。扇と言うのがいいなー。いかにもこの題名が気に入ったね。これはもう皆さんご存知のオスカー・ワイルドの名小説ですね。
    オスカー・ワイルドは『サロメ』を作りましたね。まだ名作ありますね。けどこのオスカー・ワイルドは男性が好きで、美少年が好きでその為に牢獄、放り込まれ、そうしてやがてフランス追い出されましたね。可哀想に、今なら何でも無いのに。オスカー・ワイルドは晩年、可哀想な晩年を過ごして亡くなりましたね。この『ウィンダミア夫人の扇』をドイツのエルンスト・ルビッチを迎えて映画にしましたね。ルビッチ言う人本当の芸術家ですね。それをワーナーブラザーズが呼んだんですね。そうして『ウィンダミア夫人の扇』を頼んだんですね。 私達はルビッチを見てびっくりしたんですね。で、ルビッチ言う人は女を描いたら最高ですね。このルビッチの『ウィンダミア夫人の扇』は本当にアイリーン・リッチと言う女優を一躍有名にしましたね。アイリーン・リッチが、訳のわからない女なんですね。金持ちで、綺麗な衣装着けて。それが堂々と競馬場に来たんですね。で、みんなが「あれはどこの女だ?誰だ?」みんなが騒いだんですね。「あれ、どこの女、ウィンダミア?どこの女」けど彼女はみんなが珍しそうに珍しそうに見る目を無視して堂々と自分の席に着いたんですね。社交界の女王になったんですね。どこの女かわからないんです。でも綺麗な綺麗な衣装でもって大金持ちなんですね。どこに旦那がいるのか?わからないんですね。で、片一方ではメイ・マカヴォイ、可愛い可愛いお譲ちゃんの様な奥さん、その旦那さんと二人で仲良かったんだけれども、ちょっとこのメイ・マカヴォイの綺麗な嫁さんが、ちょっと浮気したんですね。浮気してロナルド・コールマンの家に行ったんですね。「あー夫がわからなかった。夫に知られなかった、良かった。」言うので帰って来たんですね。帰って来てハッとしたんですね。「しまった、扇忘れてきた!あの扇、あの扇を夫が見たらいっぺんに自分だと言う事がばれる!どうしよう、どうしよう、どうしよう!」と思ったんですね。 そうして色々みんなが社交界に集まって、夫も、それから浮気している彼氏も、バート・ライテル、ロナルド・コールマンみんな集まっちゃったんですね。その中で、いつも持っている扇の話が出たんですね。さあーそれで、メイ・マカヴォイの嫁さんは、もうばれた!わかった!自分は破滅だ!と思った時に「あたいが、あんたの所に扇忘れたわね。」それで嫁さんは救われたんですね。あの疑問のみんなが見事な夫人だな、と見たあの夫人が実はあの若妻のウィンダミアのお母さんだったんですね。 エルンスト・ルビッチはどんなに女を描いて見事か、「あー。ルビッチと言う人はこんなに見事につくるのか」と言う事がわかったんですけど、この映画の一番いいのはこの社交界ですね。このヴィンダミア夫人が入ってくるこの社交界、この社交界が見事なんですね、英国の社交界が。なんとも知れん綺麗なんですね。競馬場、全てが立派なんですね。そういうものをアメリカ映画は持って無かったんですね。それを『ウィンダミア夫人の扇』の中でルビッチが見事に出したんですね。そのあたりのね、いかにも英国の金持ちのエリートのその見事な上品さが溢れる映画でした。ルビッチは中々立派なもんでしたね。

    【解説:淀川長治】