四十二番街
  • 原題:42ND STREET
  • 監督:ロイド・ベーコン
  • 脚本:ライアン・ジェームズ/ジェームズ・シーモア
  • キャスト:ウォーナー・バクスター

  • 製作年:1933年
  • 製作国:アメリカ
  • 『四十二番街』=『フォティー セカンド ストリート』
    これ、『四十二番街』と言うタイトルで出まして、ちょっとおかしいの。本当は、42町目なのね。それを『四十二番街』という題になったんで、何だろう?という所が、ないこともないのね。

    けど、これはトーキーになって、つまり、ブロードウェーのミュージカルのバックステージ。裏の所が全部わかるダンス、ダンス、ダンス、ダンスの映画で、もうダンスの先生がステップ、ステップ、ステップ教えるので、見事な、見事な映画で、ヴォーナー・バクスターが先生。それから、ベベ・ダニエルズ、綺麗な女が出てくるの。それにジンジャ―・ロジャースが、脇役で出てくるのね。とにかく、最初から終わりまで、ダンス、ダンス、ダンス。そのステップ、ステップ、ステップが何とも知れん、粋なんですね。

    で、ヴォーナー・バクスターが、「ワン・トゥー・スリー」 「ワン・トゥー・スリー」 「ワン・トゥー・スリー」言うたびにみんなが、パンパン、パンと動く所が、観ていて気持ちいいのね~。で、ミュージカルのバックステージは、こんなに厳しいんだな~という事が良くわかる映画で、みんな見惚れた、タップダンス作品でしたね~。

    これが、四十二丁目、『四十二番街』。後にミュージカルになって、ブロードウェーで、これやりましたね。その時に、MGMに2人のダンサーがいたんですね。ガワ―・チャンピョン、マギー・チャンピョン、この夫婦がいたんですね。これを、僕、MGMに行った時にこの2人に会ったんですね。『ショーボート』とか色んな出てる、この2人のダンサーに。

    2人が、今度、『四十二番街』をミュージカルにしたんですね。ガワ―・チャンピョンが。さあ~この人が、ミュージカルにしたと言うので『四十二番街』の、このミュージカルがえらい評判になったのね。それで、舞台の演出、これが、ガワ―・チャンピョン。ほお~。あいつ偉くなったな~っと思ったんですね。で、私は、この初日に行ったんですね。『四十二丁目』、『四十二番街』、『フォティーセカンドストリート』

    やっぱり、幕が開いた時に、サアーっと出てくる、女が15人位出てくる。そのタップの綺麗な事。もう初めから、タップ、タップ、タップ、そのタップが凄いんで、ビックリしたんですけど。その時に、全部の面白い面白い、『四十二丁目』、『四十二番街』のミュージカルが終わった後で、幕が下がって、支配人が出てきて、「みなさん、今朝、この舞台演出家のガワー・チャンピョンは、亡くなりました。」言ったのね。だから、ガワー・チャンピョンが亡くなる時に、幕が開いた訳ね。で、ガワー・チャンピョンは、この舞台見てないのね。

    そういう風な、悲劇もありましたけど、『四十二番街』。このミュージカルは、えらい評判になった。後のちに、これ何度も映画になりましたね。

    と言う訳で、『四十二番街』この映画は、見事な映画。けど、この映画の方のミュージカル、『四十二番街』はバスビー・バークレーいう人が、振付したんですね。で、バスビー・バークレーという人は、舞台でやれない物をやる。舞台は、ひとつの決まった所だけれど、ミュージカル、映画のミュージカルは、キャメラをずぅーっと、奥へ奥へ持ってってもやれるし、ずっと右に行っても、左に行っても自由に、広い広い所でやれるので、バスビー・バークレーのミュージカルゆうと、見事に見事に花が咲いたように、綺麗な花が、パァーっといっぺんに開いた様に、見事な、見事な体操ダンスですね。いっぱい並んで、綺麗に踊るダンスが多いんですね。

    と言う訳で、『四十二番街』は、バスビー・バークレーも、いっぺんに有名にしました。『四十二番街』これは、本当のミュージカルの、生まれる、本当の姿を見せましたんで、みんなが喜んで、喜んで、『四十二番街』観ました。ベベ・ダニエルズ、綺麗な女優が、主役ですけど、ジンジャ―・ロジャースが、もうすでに、その時に端役で出ていた所も面白いですね。



    【解説:淀川長治】