汚れなき悪戯
  • 原題:MARCELINO PAN Y VINO
  • 監督:ラディスラオ・バホダ
  • 脚本:ラディスラオ・バホダ/ホセ・マリア・サンチェス・シルバ
  • キャスト:パブリート・カルボ/ラファエル・リベリエス/フェルナンド・レイ

  • 製作年:1955年
  • 製作国:スペイン
  • 『汚れなき悪戯』この話しまようね。

    僕大好きなの、この映画。スペインの映画。スペインの映画言うのはね非常に面白いの。宗教的な非常に感覚持った映画。それと反対にもう女が暴れて暴れてしょうがないもう赤いショールが舞台で振り回される様な映画、そう二つが有るんですね。何とも知れんセクシーな、もう派手な映画が有ると思うと綺麗な綺麗な宗教的な映画が有るんですね。『汚れなき悪戯』はいかにもスペインの宗教的な非常に綺麗な綺麗な映画です。音楽がまた良かったなー。あの音楽が大変な評判でしたね。

    で、ここに12人のお坊さんがいたんですね。そのお坊さんがみんな良い人なんですね。ある日、表に赤ちゃんが捨てられていたんですね。「誰がこんな赤ちゃん捨てたんだろ」言いながら12人のお坊さんは赤ちゃんをまあ可愛い可愛い、もう大事に大事にしましょうと言うので、みんなでその赤ん坊を大事に大事にしたらその赤ん坊が5歳、6歳になってきたんですね。赤ん坊がまた可愛いですね。その坊やがものすごくいいの。その坊やがね、みんなの名前つけちゃうんです。あの人はニンジンだとか、あの人は玉ねぎだとか、あの人は誰誰さんだとか、みんな名前つけたんですね。それでみんなが自分に名前つけられたから喜んで喜んでそのお坊さんが可愛がるんですね。

    で、12人のお坊さんがその赤ちゃんを大事に大事にして自分達は結婚してません。みんな独身ですね。それが母親が無いけれども父親の気持ちになってその子を可愛がるのね。で、12人のお坊さんがその子を可愛がるっていったらその子が秘かに秘かに教会の誰も行かない所に行くんですね。そこにイエス・キリストの木像があったんですね。そこにまあイエスさんがこんなとこに居るわと言うのでね、みんなが食べているパン盗んだり、葡萄酒盗んだりそーっと持って行くんです。可愛い可愛いね。そうしてそのキリスト像にあげるんですね。「おあがり、おあがり、さあこの葡萄酒をおあがり」という訳でこの坊やが悪戯と一緒に非常に可愛い子でとってもいいんですね。

    で、みなさんはそれ知ったんですね。「あの坊やは何をしに行くんだろう」とうとうわかっちゃったんです。そうしてそろーとついて行ったらある日行ったら、坊やがそのキリスト像の下で寝ていたんですね。「あら坊やがあんな所に寝てる。」そろーと行ったら坊やはそこで眠ったまま死んでいたんですね。考えたらこれはイエス様が私達に与えてくれたプレゼント、あの坊やはイエス様の弟子だ、イエス様の身内の人だ。まあーと言う所で映画は終わると思うんですけどそこに光線が当たって坊やがいかにも神の弟子だ言う事がわかる映画で綺麗な綺麗なスペインの宗教的な映画でしたね。

    この映画観た時に、何て綺麗なんだろう、あの音楽何ていいんだろう、あの坊や何て可愛いんだろう、と思いながらずっと観て最後の所で坊やが眠っている、実は眠っているんじゃない、死んじゃったんだ、そういうとこ観た時にやっぱりスペインはすごい映画作るなー綺麗だなーって言って感心しましたよ。

    【解説:淀川長治】