ならず者
  • 原題:THE OUTLAW
  • 監督:ハワード・ヒューズ
  • 脚本:ジュールス・ファースマン
  • キャスト:ジェーン・ラッセル/ジャック・ビューテル/トーマス・ミッチェル

  • 製作年:1946年
  • 製作国:アメリカ
  • はい、『ならず者』、これはハワード・ヒューズという監督が撮りました。
    で、ハワード・ヒューズは、監督というよりも制作ですね。そして大金持ちですね。
    ハワード・ヒューズは飛行機の大きな、大きな会社持ってましたから大金持ちですね。
    この人の道楽は、どんな役者使うか、新しい役者、自分が注目した役者を使うか、これで評判ですね。

    それで、このハワード・ヒューズの『ならず者』はジェーン・ラッセル。
    ジェーン・ラッセルがいかにも、おっぱいが立派で、そしていかにもこの映画に貫祿見せましたね。ハワード・ヒューズがかわいがったんですね、ジェーン・ラッセル。

    ハワード・ヒューズという道楽者、アメリカの大金持ち、その監督が発見したジェーン・ラッセル。『ならず者』のすべてはジェーン・ラッセルの胸、おっぱい、大きさ、それを見せましたね。

    けど、ジェーン・ラッセルはやっぱりそういう女で、映画の演技というのはそんなにうまくなかったんですね。ムードがあって非常に良かったんだけど、なかなか長続きしなかったの。

    『紳士は金髪がお好き』というのがありましたね。これで、マリリン・モンローとジェーン・ラッセルが共演しましたね。そして大きな、大きなポスターつくったんですね。ジェーン・ラッセルとマリリン・モンローが後ろ向いてるポスターですね。こっち向いて足がどっちも奇麗ですね。

    私はこれをニューヨークで見たんですけど、ニューヨークの劇場の大きな看板に、ジェーン・ラッセルとマリリン・モンローが二人、後ろ向いて立ってるのですね。
    ところが通る人がみんな、ジェーン・ラッセルは知ってるけどマリリン・モンローはあんまりまだ知らなかったんですね。

    で、みんなが、「おい、どっちが好きだ?」と言う。そういう事聞こえるんですね。 すると、みんなが「マリリン・モンローの方」「Left」、みんなが「この左の女がいいね」と言う。
    マリリン・モンローが全然人気があって、ジェーン・ラッセルはすっかり人気をなくしたんですね。

    『紳士は金髪がお好き』は、ジェーン・ラッセルの敗北の作品ですね。
    ジェーン・ラッセルは怒ったんですね、「私、こんな恥かいたことなかった」。
    そして、もの凄く怒って今度はその会社にジェーン・ラッセル主演の『紳士はブルネットがお好き』という映画つくらせたんですね。
    それぐらいに、ジェーン・ラッセルは権威があったんですね。

    という訳で、この『ならず者』は、そのジェーン・ラッセルの胸の厚みを売った、おもしろい、おもしろい、ジェーン・ラッセル出世映画ですね。

    【解説:淀川長治】