A DOG'S LIFE
原題: | A DOG'S LIFE |
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監督: | チャールズ・チャップリン |
キャスト: | チャールズ・チャップリン |
製作年: | 1918年 |
製作国: | アメリカ |
もう最も、最も最も好きなチャップリン、それの『犬の生活』、この話しましょうね。
“DOG’S LIFE”で、『犬の生活』と言う題で出ましたけど、『犬の生活』言うのはもう何ともかんとも知れない苦労の苦労の悲しい悲しい生活を『犬の生活』と言ったんですね。『DOG’S LIFE』と言ったんですね。
これはチャップリンが本当に小さい頃、苦しんだ苦しんだ苦しんだ事が見事な美術、芸術になって現れるている映画ですね。で、この映画ご覧になったらチャップリンのオリジナルが分かりますね。
チャップリンはお腹が空いたし仕事が無いしふらふらしているけれど、そこに“男子一名要り様”と書いてあったので、喜んでチャップリンはそこに行ったら、後ろに15人並んでるんですね。不景気の頃ですね。そうして“男子一名要り様”の切符もらう時にチャップリンが手を出したら、後ろから5番目の大きな男がバーンとチャップリン蹴ってその権利のふだを取っちゃったんですね。
チャップリンはもうがっかりして、がっかりして、一人で歩いてある垣根の前で倒れて、そうして「ああ、ここで一人寝ようか」、けど、お腹が空いて眠れないんだね。ところが後ろに「ホットドッグ、ホットドッグ、ほやほやのホットドッグ」と売りに来たんですね。チャップリンその匂い嗅いでああ、欲しいな欲しいな思って「神様、神様、この一つのホットドッグ今盗みますけど、明日必ず返します。」それで、そろ~と後ろへ行ってホットドッグ一つ盗んだんですね。ほやほやの。「ああ、これで昨日から何も食べて無いからこれで助かったな。」とチャップリン口開けてあ~んと食べようと思ったらそこへ痩せた痩せた痩せた可哀想な犬がやってきたんですね。
チャップリン食べかけたけどやめて、その犬にやろうと思ってパッとやったら犬が喜んで取ろうと思ったら隣から大きなブルドッグやって来てボーンと蹴ってそのソーセージ持って逃げたんですね。考えたらお前と俺とは同じだなあ、と言うのでチャップリンは自分の事も考えないでその犬を抱いて職業を探す話しなんですね。それが『犬の生活』ですね。
いかにも綺麗な面白い映画でしたよ。チャップリンがこういう愛の生活を映画にしだしたのはこの『犬の生活』からですね。
【解説:淀川長治】