SUNNY SIDE
原題: | SUNNY SIDE |
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監督: | チャールズ・チャップリン |
キャスト: | チャールズ・チャップリン |
製作年: | 1919年 |
製作国: | アメリカ |
『サニーサイド』「陽のあたる場所」、ですね。で、チャップリンが初めてアメリカへ来て初めはカルノー一座でイギリスの芸人だったんですね。で、アメリカに来てそうして認められてマック・セネット呼ばれて映画界入りましたね。
で、初めは非常にイギリス臭い映画だったんですね。みんなに嫌がられたんですね。ところが『サニーサイド』辺りからだんだんだんだんアメリカの匂いを持ち出したんですね。で、この『サニーサイド』、面白いのはもうこき使われてこき使われてホテルでこき使われて、ホテルと言うよりも、もう雑貨屋ですね。で、まあちょっと泊まる部屋もあるんですね。こき使われて「明日はおまえ夜明けの4時に起きなさいよ」言われて、チャップリンは自分の部屋に帰って目覚まし時計に4時をやろうと思ったら今4時なのね。寝る間無いんだね。そういう風な凄い凄いチャップリンの重労働の働きを見せながらチャップリンがふらふらなって、ふらふらなって橋を渡ろうとした、陸の橋を。そうした時後ろから牛の群れを運んで行くカウボーイがありまして、その牛がボーンとそのチャップリンをついたんですね。チャップリンは橋の下に落ちたんですね。落ちた所が草原でサボテンがあったんですね。その上に倒れちゃって今度は夢の中でチャップリンは綺麗な綺麗な女とダンスする所があるんですね。そこが又綺麗ですね。つまり『サニーサイド』は決して現実では無かったけど夢の中では綺麗な綺麗な女と踊れると言う所が凄いんですね。
で、チャップリンが3人の女とダンスする所があるんですね。そこでちらっとチャップリンがニジンスキーの真似をするんですね。ニジンスキーの『牧神の午後』の真似をするんですね。まあ面白いなと思って観た映画が『サニーサイド』でした。けれども後に後にずっとずっと後にチャップリンに私は、現実のチャップリンに会った時に「あんたは『サニーサイド』でニジンスキーの真似をしましたね。」と言ったら「OH!YES!あんた分かりましたか?」と言われた事有りましたけど、『サニーサイド』は私の想い出深い深い映画でしたよ。
【解説:淀川長治】