SANTA FE TRAIL
原題: | SANTA FE TRAIL |
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監督: | マイケル・カーティス |
キャスト: | エロール・フリン/オリヴィア・デ・ハヴィランド |
製作年: | 1940年 |
製作国: | アメリカ |
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この『カンサス騎兵隊』、これはただのエロール・フリンのアクション映画かとおもったらそうではないんですね。
本当にあった実話、それの映画化なんですね。
あの南北戦争のころに、いろいろいろいろ事件がありまして、奴隷廃止、そういう事件ありまして、そっから起こる騎兵隊の悲しいこわい事件ですけれど。
これにひとりジョン・ブラウンがでてくるんですね。
ジョン・ブラウン、この男がんばってがんばってやった、その事件もはいっているんですね。
ジョン・ブラウン役のレイモンド・マッセーですけども、私たちは学校で勉強した時、「ジョン・ブラウンの死体をこえて」という言葉は、 有名な、有名な、アメリカの言葉だということを知ったんですね。「ジョン・ブラウンズ、ボディ」。
それでレイモンド・マッセーのこのジョン・ブラウン、うまかったんですねー。
だから『カンサス騎兵隊』もそういう意味でたかがアクションものではなかったんですね。
マイケル・カーティスの映画でしたけれどもエロール・フリン はこの大作に主演してたことで感心していたんですけど、 エロール・フリンは本当に二枚目ですね。
バレンチノとかクーパーとかいろいろおりますけど、エロール・フリンのこの美しさは、本当の大衆的、あらゆる人の喜ぶ美男子代表の顔ですね。
この人はとってもいい人で面白いひとですけど、酒がちょっとつよいんですね。
いつでも人気があるのはちょっと酔っぱらい的なところもあるんですね。
この人が日本に来たとき、私はエロール・フリンが日本に来たからいっぺん会いたいと思ってホテルにいったんですね。ハローって出てきたとき、もういっぱいの顔でしたね。
わたしがサインして下さいっていったら、
「あんたなんて名前ですか?」って僕の名前きいたから、「私は YODOGAWAだ」って言ったんです。
オーケーってなんていって、サーってサインしてくれて、僕にみせたら僕の名前書いているんです、サインに。
で、エロール・フリンの名前書いてないんですね。
「あんたのサイン欲しいんです。」「オ-、イエス」なんていってまたやりなおしたんですね。
初めっから調子がいいんですね。
一緒に松竹いって挨拶いったんですね。
ちょうど三國連太郎がいたので三國連太郎を紹介したら、「オー、ナイスボーイ」なんていいながら、やっぱり三國連太郎よりもずっと大きいんですね、エロール・フリンのほうが。
この人はそういうわけで、面白い人で、アメリカ人の中でも代表的な男も好き、女も好きとういう俳優なんですね。
エロール・フリン、私は直にみまして、ああ、これがエロール・フリンか、見上げる高さですね。
しかもきれいですね顔が、見事にきれいですね。
というわけでエロール・フリンは、アメリカではバレンチノとかいろいろいますけれども、いわゆる本当の美男子ですね。
【解説:淀川長治】